64日目



朝5時起床。道の駅の朝は早いのだ。日の出と共にテントを畳み、出発の準備。荷造りを終え、さあ出発しようかと思ったが、ブレーキの調子が悪い。
げげ!ブレーキ台座のボルトが抜けかかっていた!もう少し早く気づかないとボルトが脱落していた。危ない危ない…。
自転車を修理していると、ドライバーの方に話しかけられた。旅人で、各地でサーフィンしているという。ここには震災前から何度も来ているそうで、震災前のことをいろいろ教えてもらった。
全くその面影はないが、すぐそこには線路が走っていたそうだ。コーヒーをごちそうになりながら、いろいろな話を聞く。
どうでもいいが、年を聞いて驚いた。見かけよりだいぶ上だったからだ。旅人って言うのは基本的に若い。スーツ着て走り回っている人より、10歳は若く見えるよね。膨張表現とかではなくて。
自転車の修理を終え、出発。今日は午後から天気が荒れそうなので、早めに南下したいのだ。万一野宿となったら、強風でテントが飛ばされかねない。久しぶりに宿をとろう。石巻まで50キロ。昼までには間に合わせないと…。
しかし、海岸線を走るので簡単!とか思っていた私がバカだった。海沿いを走っていえるつもりだったが、驚異のアップダウン。極めて鬼畜な道が続く。時折平坦な海沿いを走るが、そこは目を背けたくなる光景が広がる。
このまま海沿いを走っても仕方ない。海沿いを走っていこうにも福島のあたりからは通行止めだ。いつか内陸に進路を向けなければならない。

いつかはいつ?それは今だ!

ということで進路を変え、西へ向かう。向かうは国道4号線。4号に出れば栄えているだろうし、寝るところもあるだろう。
だが、天気は急速に悪くなる。予報では午後からの雨も、10時頃からぱらつき出す。そして、11時頃には土砂降りである。

雨なんてへっちゃら!と北海道で鍛えた雨天走行能力を発揮して進む。しかし、土砂降りである。大きな雨粒が体を叩く。うわ〜これはきついわ〜。
国道に進路を向けたことで走行距離30キロ増しとなった。本来であればもう石巻に着いていたはずである。だが、一度決めたら最後までやる信念で走る。
ということでびしょ濡れになりながらホテルに到着。安い場所があって助かった。
被害妄想かもしれないが、なんとなく東北の人たちの視線が冷たい。フル装備の自転車に乗った変人が奇異に見られるのは慣れているが、東北では奇異というか拒絶。いや、被害妄想だと思うけど。

ということで民宿やライダーハウスをカウントしなければ、「ホテル」に泊まったのは稚内以来の一月以上ぶり。なんとなく落ち着かないのであった。


今後ですが、ひたすら4号線を南下します。もう観光とか関係ない!黙々と進みます。分かっちゃいたけど、ペダル漕いでるときが一番幸せなのだ!気になったところがあれば行きますけどもね。