53日目

山部自然公園太陽の里〜二風谷ファミリーランド

朝は日差しに恵まれたが、午後からは雲のち雨の天気。つまり、いつもの北海道。
今日も移動日なので、淡々と進みました。鉄道記念館のツーリングトレインが使えればもっと楽できたものの、ツーリングシーズンは先月まで。やっぱり次来るなら夏ですね。



日差しって、いいよね!

久しぶりの朝日にテンション上昇!気持ちよく二度寝できました!



……

………


…………!


寝てしまったーーーー!

日差しのおかげでテントの撤収もサクサク進むも、スタートが遅かったため出発が遅れる。出発は9時半。天気がいいのにいつもよりちょっとしか早く無いじゃないか…。

今日はできることなら早く出発したかった。というのも、午後から天気が崩れそうだからだ。晴れているうちに進めるだけ進みたいのだ。

出発して間もなく、雲が広がり天気が悪くなっていく。


天気…持つかな?


不安の中、金山峠へ到着。500メートルもない軽い峠だ!なんて思っていたが、三国峠とかが高すぎるだけで500メートルも十分しんどい。予想外だったのが景色がよかったこと。丁度山が赤く染まりだしたところで、見事なグラデーションができあがっていた。その中を走っていくのは、とても綺麗だった!しかし、天気が悪いので喜びは半減である。

昼に占冠に到達。どうでもいいが北海道の地名は本当に読めない。アイヌ語を当て字にしているのだろうが、青看板見てもほとんどが「?」である。ちなみに占冠は「しむかっぷ」と呼びます。読めるか!
道の駅「しむかっぷ」で昼食。高いくせに不味かったことだけ覚えている。
ここでいよいよ天気が怪しくなってくる。時折ぽつぽつと降りだし、そろそろ寝床を定めた方がいいかもしれない…。
ツーリングマップルによると、この先にライダーハウスムーミンひだか」があるらしい。まだ日はあるが、雨の中の移動は避けたい。
しかし日高へ行くには金山峠よりも高い日高峠を越える必要がある。たしかに峠は高かったが、こちらもなかなかいい景色だった。しかし問題は交通量がやたら多いこと。ゆっくりと景色を眺めたい気もするが、車の流れが早く、どうもそういう気になれない。天気のいい日にバイクで走るのがいいと思った。

日高へ到着。南の空が暗い、先を急ごう。セイコーマートに目もくれず、ペダルを回す。おお!今日は調子がいいぞ!向かい風だけどペースがいい!これは雨が降るよりも早く寝床につきそうだ!







…!

ライダーハウス通り過ぎてたーーー!

そして降り出す雨。こいつはヤクいぜ!しかしここは山のど真ん中、雨を避ける屋根はない。道路の両サイドにはガードレール。路側は無いが、交通量はある。
むう…、もうしばらく流れに乗って走るしかないか…。なんて思ってたら一気に土砂降りに!うわ!こりゃたまらん!雨から身を隠せる場所を探すが、そんな都合のいいところは…あった!ガードレールの切れ目の奥は大きな木の下だ。他の人が見たらほとんど事故!ってぐらいの勢いでつっこむ。とりあえず雨はしのげた。しばらく雨宿りすると雨は止み、走行再開。


…どこに泊まろう?この辺はバス停が屋根付きだから、そこでもいいかな?とにかくまだ日があるから進もう。
そんなこんなで振内町に到着。セイコマで休憩し、寝床チェック。近くの鉄道博物館が夏期にツーリングトレインをやっており、それが使えれば最高だった。が、先月で今シーズンの営業を終えている。
悩んで悩んで、一つの結論が生まれた。


「なんとかなるだろう」


そんな投げやりな結論。が、これが後々よい結果となるとは…。

雨が強くなってきた。さーっと降っていた雨も、ザーザー降りだ。レインパンツを履いていなかったので履きたいが、今度は身を隠せる場所はない。仕方なく路肩が広めのところで濡れながらレインウェアフル装備。フロントバッグが純正レインカバーなので、これが問題。純正レインカバーは雨の中の走行だと全く役に立たないのだ。サードパーティーのレインカバー「ゴミ袋」を装着したいが、さすがにこの作業は屋根のあるところでやりたい。我慢して出発。出発して100メートルとしないうちに屋根付きバス停を発見。こんなもんだよ人生って。
とりあえず休憩。どうする?ここで寝る?寝てもいいが、意外と交通量が多い。通り過ぎる人の視線も気になるし、近くのキャンプ場へ行こう。
びらとり温泉の側にある二風谷ファミリーランドへ向かう。が、最後の最後で急な坂!雨もあるしもう勘弁してーーー!
びしょ濡れでびらとり温泉に到着。が、予想以上に人が多い。多すぎる。そしてそれが、遠くからでもそれが日本人でないことはすぐに分かった。
明らかな敵意を出しつつフロントへ行き、キャンプ場の手続きを行う。こんな天気の日にキャンプ場!?と内心思ったのだろう、キャンプ場はもちろん利用できるが、こっちも空いていますよと別のものを案内された。
バンガローかな?3000円するけど、今日の天気ならそれも仕方ないかもしれない。旅館に比べれば安いし、こんな天気にテント張りたくないし、たまにはバンガローもいいか。
と思いきや、案内されたのは簡易宿泊施設。なにそれ!?そんなのあったの?ライダーハウスみたいなもので、個室に泊まることができる。それで価格は1000円。泊まります、泊まりますとも!
ということで案内されたのは六畳一間の個室。…個室!ひゃっほーい!久しぶりのプライベートだ!
ちなみにこの施設に入った瞬間、ライダーハウスとは違う雰囲気で焦る。中にいたのは明らかに旅人ではないからだ。おそらく仕事か何かで泊まっている人たちなのだろう。
びらとり温泉は午後7時から入浴料が半額になり、温泉の食堂は7時で閉まる。なので、食堂で7時まで粘る作戦。食堂の大広間は日本人ではない方々に荒らされた後で、職員さんが掃除で走り回っていた。
ここは牛肉がいいらしいので、ステーキ丼を注文。丼とは言えひさしぶりのステーキ!ちょっと高かったが、柔らかい肉ってのはいいね!けど、個人的にもっと安い肉でいいや。
そして1時間粘り入浴の時間。みんな同じ考えだったのか、7時から一気に人が増える。
それにしても久しぶりの風呂だ!蜂の宿最終日に入ろうと思ったが、ナイスタイミングで銭湯が休みだったのだ。体を洗う洗う洗う!いや〜さっぱり!
さっぱりしたところで合羽を着込んで部屋へ戻る。そう、徒歩5分ほどだが、宿泊施設は結構離れているのだ。傘、買おうかな?


明日はいよいよ苫小牧へ到着だ!ちょっと苫小牧観光して、ついに北海道ともお別れ。寂しさは感じない。なぜだか、まだまだ北海道を旅する気がして、脱出するという実感が沸かないのだ。けど、その時間は確かに来るのだ。