48日目


狩勝高原キャンプ場〜山部自然公園太陽の里

雨の中の移動は疲れます。できることなら動きたくないのですけどね〜…。
とりあえず旭川に近づきました。たぶん最後の観光になると思います。が、この先一週間悪天候の予報。oh yeah...

最後の観光ぐらいさせてくれ!北海道!



東屋の中にテントを張ったので、明日は撤収が楽だろう。そう思って目を覚ました朝。フライシートも一部が濡れただけで、乾かすのが簡単だ。
が、おかしい。なぜだ?なぜ、テントの底が濡れてるの?
テントの下はコンクリートの床。横風で雨が入り込んで、それで濡れた?いや、だったりあちこち水たまりがあるはずだし、それにブルーシートだって敷いていた。となると、ブルーシートとの隙間に入ってきたの?
いや違う。そう、濡れているのはテントの底じゃない。テントの中だ。
おそらく、銀マットことサーマレストのリッジレストが濡れていて、それが原因なのでは?そこが一番濡れていたので可能性が高い。とはいっても、焚き火していたときに乾かしたつもりだったのだが…。


…!

ということは、寝袋は!?




……


………!


首もとだけ濡れていた。そこはマットと枕の隙間。マットに乗っていた部分は濡れていないから、やっぱり下から湿ってきたの?よく分からん。
ブルーシートは両面びちゃびちゃで、これは乾かすのに時間がかかりそうだ。
よし、乾かす為火をおこそう。昨日使わなかった薪でレッツ焚き火。が、やっぱり濡れた薪はなかなか火がつかない。ちなみに昨日は着火材つかってました。テヘペロ

湿った枯れ葉で地味に火を起こすが、程良い大きさの薪がなく、大きな薪に火が移ることなく失火。それでもちょっとは足しになっただろう。
朝のニュースで放火で捕まった人が「暖をとろうとした」て言っていて、気持ちが分かった自分がいる。けど、家を焼く技術があるなら私に少し分けて欲しいものだ。ニュースは他にも、狩勝峠が濃霧で、視界50メートル未満であることを報じていた。
テントを乾かしていて出発は11時。悪天候で恐ろしく時間がかかった。たまに朝5時とかに出発している人がいるが、ああいう人はテントをどうやっているのだろうか?濡れたまま移動なのか、それとも秘密の方法があるのか…。

出発して少し走るとすぐに狩勝峠の頂上に着いた。思ったより楽な峠で助かった。丁度雲が晴れ、狩勝平野(?)が一望できた。初めてじゃないだろうか?峠からこうやって景色が見えたのは。
頂上の食事処で豚丼を食べ、ダウンヒル開始!今日の目的地まで残り60キロ。もう12時だが、これからずっと下りのはずだ。楽につくだろう。
が、向かい風。あれ?下りだよね?ぜんぜん速度が出ないんだけど?ペダルを回す、回す、回す!平地と変わらないじゃないか!困った、このペースだと日が落ちるまでに着かないかもしれない。途中から雨も降り出し、踏んだり蹴ったり。はじめは小雨なので気にせず走っていたが、だんだんんと強くなる。下のレインウェアを着ていなかったが、さすがに着ないとまずい。が、丁度なにもない道路。交通量はあるが、路肩はない。自転車が止められそうな場所を探すが、なかなか見つからない。だいぶ進み、ようやく見つけた建物の軒先をお借りしてウェアを着る。

テンションがだいぶ落ちていた。このままだと今日中に富良野に着かないかもしれない。もう少し進むと道の駅「南ふらの」がある。最悪そこで寝ようかと考える。かなやま湖畔キャンプ場がまだやっていればそこまで頑張れたが、残念ながら今シーズンは営業終了だ。
しばらく雨が止まないか待つが、止む気配はない。いつかの宗谷岬を思い出す。あのときに比べると遙かに天候はマシだ。そしてあのときと違うのは、今は逃げ帰る場所がないと言うこと。前に進むしかない。

再出発。道の駅近くのセイコーマートで甘いものを買って休憩。近くに映画のセットがあるらしいが、見る気分じゃない。休憩も短めに、前へ進む。



そんなとき、遠くの空に、虹が見えた。


半円の綺麗な虹じゃなくて、ちょっとした小さな虹。久しぶりに見た。そして、雲が晴れ、晴れ間が指す。一時的な晴れだろう。けど、なぜだか頑張れる気がした。とにかく前に進もう。

その後も雨に打たれながら前へ進む。が、それからは順調だった。そして今日の目的地、山部自然公園太陽の里を射程距離に納めた。
国道から外れる前にコンビニで少し買いものし、キャンプ場へ向かう。が、ここからが大変だった。キャンプ場まで3キロ。直線でわかりやすいが、ひたすら上り。狩勝峠なんか目じゃないぜ!ってほどじゃないが、気持ちはそれぐらいで上る。

ようやく登り終え、不思議な光景を見た。池があったのだが、段々畑のように少しずつ水位が違う。高い方から低い方へ水が流れていたが、浄水場では無さそうだし、なにか養殖でもしていたのだろうか?近くに看板も見あたらず、謎である。
公園に入り、キャンプスペースへ進む。広々としたキャンプ場だが、設備は決して綺麗とはいえない。すでに周囲は暗くなってきており、公園の照明はついていたが、炊事場の照明はついていなかった。シーズンオフだから切っているのだろうか?
炊事場の近くにテントを設営し、必要最低限の道具だけテントに入れる。寒いのでテントの前室で夕食を作る。今日は焚き火はしない。焚き火スペースがあるが、炊事場から遠いからだ。それに、テントはもちろん、自分の体が焦げ臭い。しばらく自粛しよう。


明日はとりあえず旭川に行こうと思います。その後は秋の美瑛と富良野を観光する予定ですが、ずっと雨の予報でげんなり。なんで旭川周辺はいっつもこうなのだろうか?晴れるまで留まるわけにもいかないし、かといって観光しないと来た意味がない。

なんで北海道はいつも天気が悪いの?脱出前にいい景色見てから帰りたいのに!