47日目


RH「ヤドカリの家」〜狩勝高原キャンプ場

とても人のいいオーナーのライダーハウスを後にし、次の目的地へ向かう。出会いと別れが旅の醍醐味。とはいっても、やっぱり別れは辛い。
今日は雨の中移動。やっぱりできるなら雨の中移動はしたくないものだ。が、時間は無限ではない。北海道が雪に包まれる前に脱出しないといけない。暫定ゴールの苫小牧まで後少し。富良野はその前の最後の寄り道のつもり。
そんな富良野へいく途中の今日は、ちょっとしたサバイバルでした。



朝起きると、干していた洗濯物が無くなっていた。盗まれ!という悲しい結末ではない。そこに干していたら乾かないだろうと、暖炉の側に移動させていたのだ。オーナーの暖かい気遣いで洗濯物もからりと乾いた。いいライダーハウスだった。オーナーたちに見送ら出発。
気持ちよく出発したもの、天気は気持ちよくない。黒い雲が迫ってきてきた。
近くのコンビニで朝食。雨の中の移動は疲れるだろうから多めに食べる。そして、移動開始。案の定、すぐに雨が降り出した。

それからはただひたすら雨の中、38号線を進み狩勝峠を目指す。走っていて思ったのは、あれ?寒くないし、暑くもない。発熱量と外気がいい具合に釣り合っていた。しかし釣り合っているだけど、途中コンビニ休憩したら汗が冷えて緊急事態に。コーヒーなんかじゃ暖まらない。休憩したら死ぬ!ということで今日は「休憩禁止令」を発令し進む。
38号線は途中まで交通量が多く、トラックに水かけられたり散々だった。が、狩勝峠に近づくにつれまばらになる。
途中に突然SLが置いてあったので見物。私は電車に興味はないのですが、こういう古いものは好きです。古いものほど人間味があるように感じるんのだ。
そして狩勝峠前のパーキングエリアの到着。そこで一般のドライバーに「5号目以降は視界50メートルないから気をつけて」と言われる。霧がかかりやすいとは聞いていたが、今日もか…。
比較的なだらかな登りを上る。傾斜は楽なのだが、ここにきて急速に空腹感が襲う。時刻は12時か。けど、この付近には食事がとれるところなんて無さそうだ。と、思ったら「ベアマウンテン」なるものがあるらしい。

「なに?熊でるの?北海道なら当たり前じゃん」

もう少し進めば「狩勝高原キャンプ場」だ。せっかくだから寄ってみた。が、その道はこれまでで一番辛い登り。空腹で力が出ない。フロントバッグに行動食あるけど、雨の中開けたくないし、止まったら動けない気がする。
で、ベアマウンテンに到着。ちなみにiPhoneの新しいマップで「ベアマウンテン」を検索するとアメリカに飛ぶぞ!狩勝高原キャンプ場なんて名前も出てこない。さすが!
で、行ってみたらサファリパークの熊版だった。こんな天気でヒグマ見ても微妙なので、今来た道を戻る。途中国会議事堂みたいな建物が見えた。場違いな建物である。それよりキャンプ場だ。早く行って食事を作ろう。
国道に戻り、さて進むか、と標識を見ると、なんて「キャンプ場入り口」の看板が立っていた。え?キャンプ場あった?
引き返すとさっきの国会議事堂みたいな建物がキャンプ場の受付で、その奥にキャンプ場があったらしい。受付をすませキャンプ場へ。
まずお湯を沸かす。寒いからだ。キャンプ場の受付の時間で汗が冷えた。とにかくお湯だ、お湯を沸かそう。米を炊いてる余裕はない。本当に死にそうなほど寒い。そういえば自転車屋の人にもらったカップめんがある。二つもらったが、二つとも食べてしまった。なんとか食べて暖をとるが、まだ寒い。ということで薪を集めて炊事場で焚き火。死にそうなほど寒い。早く服を乾かさないと本当にヤバい。焚き火を知っていないと、本当に危なかった。ひたすら暖まり続け、気づけば日が落ちていた。
焚き火をしていて、空気を送るのに吐息を使っていたが、さすがに疲れるし酸欠になる。団扇があればいいのだが、そんなものはない。いや待て、サイドバッグの中にアレがある。取り出したのは扇子。そう、夏の間役に立つだろうと思って持ってきたものの、一度も使わなかった道具。まさか冬に役立つとは…。効果は歴然で、炎が引くぐらい大きくなった。もっと早く思い出してればよかった。
焚き火の横で夕食をつくり、それからテントを設営する。雨が強くなっている。今日は貸し切りみたいなので、屋根のある炊事場にテントを建てる。
焚き火で暖まりながらブログを更新し、現在に至る。

明日は富良野入り。元気がよければ旭川まで抜けます。また旭川か…。