42日目

民宿「銀鱗荘」〜シラルトロ湖キャンプ場

今日は、とても大変でした。まさかあんなことになろうとは…。
私の中で宗谷岬へのファーストアタックが一番辛い移動でした。今日はそれに次ぐ苦行でした。あれから心も強くなり、体力も付いた。けど、あれには勝てなかったのだ…。



昨晩のこと。ブログ更新後先客の方が帰ってきた。どんな人なのかと思ったが、変わった人でした。以上。

朝。おかしい…、なぜか眠い。しっかり寝たはずだが、瞼が重い。まさかテントで寝てないから?そんなバカな。
民宿のご主人とお別れし、北を目指す。なぜなら今日は南風。乗るしかない、このビッグ追い風に!という思いで北へ向かいます。北というのはもちろん釧路湿原。せっかく来たのだから寄っていきましょう。
途中釧路駅を拝んでいく。北海道の都市と言えば札幌だが、私の中で釧路も同じぐらい栄えているという勝手な想像があった。現実を見て我に返る。そうだよね、北海道だもんね。
今日のキャンプ地まで30キロ。かなり近いのでまったりと進む。朝マックでまったりしたり、ホームセンターに寄ったり、100円ショップで買い物したりしつつ北へ向かう。
そして、今日の昼飯はアルジャーノンさんオススメの「南蛮酊」。開店すぐに行ったつもりだったがすでに駐車場は満車。車のナンバーを見ると様々な場所から来ており、人気の高さが分かる。
入店し、ザンギを頼もうとして困った。あれ?ザンギが無い?あ、ザンタレがザンギなのね。ハーフ単品で頼むのも何なので、とりとり丼とセットで頼む。とりとり丼は結構なボリューム!500円でこれは満足だ。そしてザンタレハーフも運ばれてきた。


…ハーフ?


そこには山のような鶏肉が。いや、ハーフだよね?これ絶対一人じゃ食べられないよね。
そして、戦いが始まった。

それは苦しい戦いだった。食べても食べても山は形を残していた。食べられるのか?いや、食べなくてはならない。

しかし、現実は無情である。時にはどんなに頑張っても無理なときがあるのだ。それが、"今"であった。

ザンタレハーフを半分残し、私は箸を押いた。だが、まだ最後の手段が残っている。


「これ包んでもらえますか?」


ということでザンタレクォーターを手にし、先へ進むのだ。だが、戦いはまだ終わってはいなかった。

腹が重い!ペダルを回せない!苦しすぎる!

この先の道はよく覚えていない。とにかく苦しかった。今回の旅で5本の指が入るしんどさだ。胃が活動しすぎて他のところに血が回らない。午後の学校の授業と同じように、眠気が襲う!

もう休んじゃえよ。

悪魔がささやく。体力が無くて、走れないことがあった。心が折れて、走れなくなったことがあった。しかし、数多の困難を乗り越え、ここまできた。なのに、こんなところで負けてしまうのか…。まさか、胃袋が根を上げるとは…!!


気がつくと、舗装されたダートを走っていた。展望台近くの休憩所でコーヒーを飲んで休憩。あれから1時間以上経ち、ようやく腹も落ち着いてきた。山は越えたのだ。
そんなわけで、気がついたら細岡展望台に来ていた。結構マジで苦しかったので、道中の記憶は殆どない。ただ、苦しかった。ともかく展望台に来たわけだから、釧路湿原を拝もうじゃないか!
さあ釧路湿原、その姿を見せてみろ!


釧路湿原「お断りします」


見事に真っ白でした。屈斜路湖みたいに霧がかかっていたわけじゃないが、空が真っ白で湿原もガスっていて、とてもがっかりな光景だった。北海道に来てもうすぐ一ヶ月だけど、観光地はいつもこんな感じだ。たまには晴れてくれても良くない?
奥に進んでもダートが続きそうだったので、来た道を引き返す。下って分かる、なにこのガタガタ道。よくこんな道登ってきたな私。この時ばかりはサスペンションが欲しいと思うのであった。
国道に戻り、北を目指す。今日は強い追い風の予報だったが、どうも恩恵は受けられない。実際は微風だったようだ。だらだらと北上する。道があまり良くなく、車の追い越しもヒヤッとする。
時折見える湖が鏡のように空を映して綺麗なのだが、今日は曇りなので写真映えはしない。
そしてシアルトロ湖に到着。キャンプ場は高台にあり、湖が見渡せる。が、ガスって綺麗ではない。「憩の家かや沼」でキャンプ場の受付をし、キャンプ場に入る。キャンプ場は広く、あまり整備されていない芝のサイトだ。あまり整備されていないというのは個人的にいいことで、おかげで芝がフカフカなのだ。入り口には無人の観光案内所があり、綺麗な水洗トイレがある。
トイレにはウォッシュレットもあるよ!これが意味することは電源に敏感なチャリダーは分かるだろう。つまりそういうことだ。
さて、どこに設営しよう。トイレは入り口にあるこの建物だが、炊事場はキャンプ場の中心にあり、トイレからはかなり距離がある。
トイレをとるか、炊事場をとるか。私は迷わずトイレを選んだ。炊事場を使うのはコッヘルを洗うときだけだし。
日が落ちる前にキャンプ場を散策。奥には遊歩道があり、結構奥まで続いていた。日が落ちたので引き返したが、鹿がたくさんいました。
サイトに戻り設営開始。すると貸し切りだと思ったキャンプ場に札幌ナンバーの車が。出てきたのはおばちゃん達。感じがいい人たちで良かった。
テント設営後、最寄りの温泉へ。汗を流し、ついでに併設されたレストランで食事。照明のある東屋があれば良かったのだが、日が落ちたら食事を作る気力は皆無なのだ。
テントに戻り現在に至る。温泉パワーでポカポカしてまだまだ暑い。すぐに寝れそうだ。
明日も釧路湿原巡り。明日こそは天気が良さそうなので、いい景色に出会えそうです。明日はまだ釧路の近くで一泊し、その後は帯広まで一気に駆け抜ける作戦です。なんか道中のキャンプ場もライダーハウスも閉鎖してそうなんで、ひと思いに駆け抜けちゃいます。そんなこと言って結局途中で泊まることになりそうだけど。まあ、旅は自由なのだ。