神福最終日 フェリーさんふらわあ〜福岡県実家


イムリミット内に無事第一の目的地、福岡県の実家に到着しました。
さあ、次は本番の日本一周です。すぐに出発!と言いたいですが、すこし休憩です。
明日以降は今更日本一周の準備編を予定しています。
昨日はあれから、ちょっとした出会いがありました。乗船が始まり、バイクに混じって船内へ。自転車は一人だけと思っていたら、ママチャリに乗った青年が。どうやら自転車はもう一人いたようだ。話を聞くと、ママチャリに乗った彼もまた旅人だった。出発地は同じ神奈川。そして仕事をやめて旅を始めたなど、多くの共通点があった。
話していると意気投合し、船のデッキで缶ビール片手に旅を語らう。夜風が涼しい。街の灯と星の明かりだけが目の前に広がる。楽しいひと時だった。
私は明日には旅が一段落する。もちろん日本一周に行きたいのだが、その気持はだんだんと弱くなっていた。というのも、楽しいこともあるが、辛いことのほうが多い。辛いし、寂しい。実家を前に、再出発できるのか不安になっていた。



「自分にしかできない旅をしたい」



彼が発した何気ない言葉が、とても心に響いた。自分だけの旅。そうか、惨めな思いもするけど、過ぎてしまえば笑い話だ。いいじゃないか、どんなに辛くても、これが私の旅なのだ。
深夜まで飲み明かし、寝床につく。お酒も入っていたのですぐに寝付いた。しかし料金節約のため一番安い2等寝室で雑魚寝だったのだが、煎餅みたいな敷き布団で寝心地は悪かった。自転車に銀マットを取りに行こうか一瞬思ったが、行動に起こそうと思った時には夢の中だった。


朝4時起床。昨日飲んだ人は爆睡しており、入港までは寝させておくことにした。デッキに出て朝日でも拝もうかと思ったが、まだ日は昇っておらず、すぐに船内へ。定刻通り5時入港し、7時までは船内で休んでいいのだが、車両は船外に出さないといけない。彼を起こして自転車を外に出す。休んでも仕方ないので走りだす。彼はこれから大分に向かうということで、方角が違う。そのため、ここで別れることになった。互いの旅の安全を願い、それぞれの道へ。
さあ、ゴールは目前だ。


見慣れた景色が広がる。通っていた高校。友人と買い物に行ったショッピングセンターや、バッティングセンター。高校を出てから地元を離れていたが、あまり景色は変わっていない。あのままだ。
もうすぐ、最初の目的地に到達する。神奈川からこの自転車で走り続け、本当にここまで着いてしまった。こうやって知っている道を、この自転車で走っていることに不思議な感じがした。嬉しい気も、寂しい気もする。途中ラジオ体操に向かう子どもたちとすれ違った。なぜか知らないが、それを見て気持ちがこみ上げてきた。昔の自分を思い出したのか、それはよくわからない。ともかく、残りわずかな距離を安全に走るのが全てだ。
そして、地元のランドマークである、大きなパチンコ店が見えた。パチンコ店がランドマークというのはいい気持ちではないが、田んぼ以外何も無い田舎なのでしょうがない。あと僅かだ。


「ただいま」
午前8時、実家に到着。総走行距離1000キロ弱。ずっとそこで住んでいたかのような安心感。当たり前に冷蔵庫で飲み物を取り出し、飲む。帰ってきたのだ。家族と近況を聞き、一息ついたら愛車のもとに戻る。付けたままだったバッグを取り外し、洗車をしてあげる。今日までご苦労様。キャリアなども取り外し、本来の姿へ戻す。すっきりとしたスタイルを見て、やっぱりこいつにはこの姿が似合っていると実感する。しばらくこいつには実家で休んでいてもらおう。日本一周には、また別の相棒を用意するつもりです。



イムリミットに間に合うことができた。事故もなく、とりあえず今回の旅は成功ということにしておこう。しかしいろいろと問題点もあった。これらを改善して、次の旅に備えないといけない。が、とりあえず少し休もう。さすがに2週間近く毎日休まず走ったのは、体にかなり疲れが溜まっている。うっかり家の布団に横になったら、夕方まで寝てしまった。


明日は役所でいろいろな手続もしますが、同時に次の旅の準備も進めます。今月中には出発するつもりですが、そろそろ天国から爺ちゃん婆ちゃんが帰ってくる頃だし、一度顔を合わせにもいきたいです。なので、すぐに出発とはいきませんが、その分じっくりと準備します。


実家に帰って安心したのか、疲れで眠くて仕方ありません。とりあえず今日は早めに寝ようと思います。