神福九日目 有年駅近く高架下〜岡山県岡山市ホテル


朝起きてまず思ったこと。どこだココ。
昨日は散々だったぶん、今日は休養日と決めて走りました。すると昨日とは打って変わっていい一日でした。
さすがに疲れて切っているので体が重く、今日も早く寝ようと思っています。
そういえばそうこうしている間に岡山です。残すは広島、山口だけなんですね。どっちも強敵です。ですが、今考えているのは、ここを通らない別のルートだったりします。

ウシガエルの鳴き声に対抗するため、大音量の音楽を流しながら寝ようとしたわけだが、そんな状況で眠れる訳ありませんでした。案の定眠りが浅く、寝ては起きてを繰り返し、1時間も眠れてなかったと思われる。
あれほど望んでいた日の出も今となっては憎い。気がつくとウシガエルの声は遠くなり、代わりに鳥のさえずりが耳に届く。
体調は良くはない。眠くてだるい。が、昨日と違うのは心が爽やかな気分だということ。朝の山の匂いに癒されたのか、昨日のように焦った気持ちにならない。なんとなく、今日はいいことがありそうな気がした。
まずはじめのいいことが、昨日失くしたと思った旅レコが見つかったこと。昨日のログこそ見たかった気もするが、振り返っても仕方ない。
朝5時。テントを撤収し、早めの出発。河川敷から道路まで自転車を運ぶのには少し苦労する。
少し走った先にコンビニがあるらしく、そこで朝食を取ろう。しかし、この勢いだと今回一度も自炊しそうに無いものだ。
コンビニへ行くと、おじさんが声をかけてきた。息子に自転車で旅をさせたことがあったらしく、その姿を重なったらしい。いろいろと話しをして、旅のコツを教えてもらい、激励の言葉も頂いた。朝から元気づけられ、心のガソリンは満タンだ。体が重いのが仕方ないが、しょうがない。今日は岡山のホテルで早めにチェックインして休もう、と、このとき既に決めていた。
今日は休養日。そう考えると無意味に力も入らず、ゆっくりと、しかし疲れずに前に進む。

まずは南下しなければいけない。昨日はうっかり北上して2号線に出てしまったので、250号線に戻るためだ。これだけで10キロ近く。しかし、朝の涼しい風と、山の匂いはそれを苦にさせない。山を抜けると田園地帯。夜はあんなに不気味だったのに、朝日を浴びた光景は生命力がみなぎっている!
そしてこのあたりは静岡県西部と並ぶほど景色がいい。私の地元は福岡の田舎だが、こんな風景である。こんなに山はないが、なんとなく懐かしい気持ちになる。

しかし気持ちがい。体が重いが、はじめからペースを上げないと決めているのでどうでもいい。今回の旅始まって以来の癒し時間である。この気持は普段のサイクリングに近い。そうだよ、急ぐ必要なんてないのだ。自分のペースで走ればいいのだ。とは言っても、今回タイムリミット付きなので、明日以降はペースを上げなければならない。そのためにも、今日は休むのだ。さすがに一週間毎日100キロ越えは、体に無理が出て当たり前だろう。

日も登ってきて、自分の影と並走する。辛い登りもあまりなく、スイスイと進む。だんだんと車の通りが増えてくるが、気にならない。今日は本当に心が穏やかで、どんな危険運転も寛容になれる。
その後道を間違ってどこかの駅前へ。ベンチがあったのでそこで少し休憩。どんなに心が元気でも、肉体の疲れはどうしようもない。今日の休憩時間の多さは凄い。だが、今日はそういう日なのだ。

それにしてもスカッとした青空!適度に雲もあり、いい景色だ。途中自転車で旅している人とすれ違った。気持よく返事を返してくれると、本当に気持ちがいい。さらに登りを登っていると、町の人が傾斜の少ない抜け道を教えてくれ、さらに別の人も登っている最中に応援してくれた。なんだかとても幸せな気持ちだ。

時刻は9時ぐらいだったろうか。備前のあたりで長い休憩。海沿いにあった小屋のベンチに座り、心地いい風を感じながら休む。気がつくと、あまりの気持ちよさに眠ってしまっていた。やはり、体はかなり疲れているようだ。岡山まであと30キロ。ゆっくり漕いで3時間といったところか。岡山到着が12時。チェックインが3時だとすると、どこかで3時間つぶす必要がある。なので、途中で見つけたガストでモーニングを頼み、2時間ほど粘る。今回の旅でガストには何度も行っている。何といってもドリンクバーがいい。マックのコーラLが100円だとしても、そのくらい一瞬で飲みきってしまう。飲みきれないほどあるドリンクバーは、喉が乾いて仕方ない旅には無くてはならない。

長い休憩の後出発。かなり日が昇ってきて、日差しが熱い。今回の旅の失敗はいくつもあるが、その一つが長袖を着てこなかったこと。日焼けが酷いことになってきた。腕は焼きすぎて化膿し始めたので、途中の薬局で慌てて薬を購入。もちろん薬剤師のおばちゃんに怒られました。最低限日焼け止めは塗っとくべきだった。

その後もゆっくりとペダルを回し、岡山市に到着した。途中急激に天候が悪くなり、少し雨がぱらついた。強くなると積荷が濡れるので、バッグにレインカバーを付けたものの、天気はギリギリ持ちこたえたようだ。
まだチェックインまで時間があるので、近くの電器店で涼む。ウィンドウショッピングで時間を潰し、ホテルへ向かう。が、思いの外着くのが早すぎたようだ。コンビニで時間を潰し、チェックイン。今日の受付のお姉さんは感じが良く、自転車の保管場所も教えてくれた。
もう今日は、箸が転がっても幸せを感じる一日だった。むしろ、それが普段の私の生き方でもある。どうも、急ぎ過ぎていたのかもしれない。

福岡までもう少し。福岡までは、当初素直に広島、山口と抜けるつもりでしたが、今別のルートを考えてします。それがしまなみ海道を通って帰ることです。四国!?と思われるかもしれませんが、松山から小倉にフェリーが出ており、最終的にそれに乗ろうかな?なんて考えていたり。日本一周本番ではこの自転車で走らないので、最後は気持ちよくこいつと走って終わりたいんです。
そうすると、福岡まであと4日ほどで着く計算になります。いよいよ終わりが見えてきた気がします。

明日(2日)は広島県尾道市まで足を伸ばし、明後日(3日)はしまなみ海道を突破。明明後日(4日)フェリーで、翌日(5日)小倉、そしてその日のうちに実家という計画。フェリーも予約したので、これでいきます。タイムリミットには間に合うでしょうが、新たなタイムリミットができました。