72日目


現在地 大洗キャンプ場

移動中に目があった人とは、なるべく挨拶するようにしています。ほとんど一方通行の挨拶になるけど、返ってくると気持ちがいいですよ。
ちなみに車からの挨拶はノーサンキューです。今日も何度かされましたが、クラクション鳴らされて気分がいいわけありません。理解のないドライバーからすると、車道に自転車が走っていることは理解できないのだろうけど。
話は脱線するけど、私が思うのはコンビニに行くにも何するにも、「なんでも車」っていう文化は、決していいことでは無いと思う。車が全て悪いと言うことではなく、その行動は本当に車が必要なのか、考えてみてほしいのだ。

ということで、今日から旅再開です。

ロータスさんの家にて起床。家で朝食をご馳走になったあと、事務所にてコーヒーをいただく。ブログのリアルタイム更新を見たりして、出発です。本当にお世話になりました!この辺の詳細は70日目、71日目で詳しく書こうと思います。
旅に出てよかったのか?と思うことがあっても、こういう出会いがあるから断言できる。旅してよかった!
ロータスさんに見送られ出発。出発して早々緊急事態発生!大変だ!トイレはどこだ!?コンビニを探すがまったりしている暇はない。そう、非常事態なのだ!引き返す?いやいや、涙の別れの後すぐに再会って、どんなコントだ。ということで、ロータスさんの家の近くのマックへ駆け込む。さすがにトイレだけ使う勇気はないのでコーヒーを注文し、トイレへ。我ながら素晴らしい滑り出しだ!
せっかくマックにきたので作戦会議。いろいろあって茨城県までワープしたので、今日の行動はまったく考えていなかった。ツーリングマップル茨城県からは関東版なので、手元にある東北版は早くもバラストと化している。
地図なんてiPhoneでいいじゃん!と少し前の私なら思ってたけど、一度紙の地図になれるともう戻れない。
といってもしばらく関東に住んでいたので、知識はゼロではない。だいたい地形も把握しているし、なんとかなるだろう。
結局、私はいろいろ考えた末「なんとかなるだろう」に行き着いてしまうのだった。だめじゃん。


出発して南へ向かう。途中やけにペースがいい。いつもと同じギアのはずなのに、スピードが全然違う!ロータスさんからパワーを貰ったか?なんて思ったが、なんてことはない。いつもはミドルギアなのに、アウターギアに入っていただけだった。昨日までは空荷だったので、アウターギアに入れていたのだった。すぐに疲れるわけだ。そういえばインナーギアって稚内以来使っていない。やっぱりフロントはダブルで十分なのかな?
しばらく順調に進んでいたが、路肩の狭い道になる。交通量が多いのでもうちょっと余裕を持って走りたい。反対車線には立派な歩道が整備されていたので、反対車線へ渡り走り始める。
車に怯えなくていいって素晴らしい!快調に進む。500メートルだけ。


500メートル先に見えたのはまさかの階段。かなりの段差があり、自転車の進入を拒んでいた。ここから車道へは街路樹が邪魔で渡れない。総合的に判断して、もっとも効率的なルートを通るのが私である。

「よし、階段を下ろう」

総重量50キロ近い自転車を降ろすのは並大抵のことではない。一段一段慎重に降ろしていく。通行人の冷たい視線も気にせず、一番下まで降ろすことに成功。ふー、いい汗かいた。


その後海岸線を伝ってさらに南下。一番海沿いを走ろうとして住宅街を迷走してた気もするが、気のせいだろう。

朝は晴れていたが、今日は終日曇り。いまいち景色がぱっとしない。なによりソーラーパネルの発電量が悪くなるのが困る。というのも、紙の地図がないので地図情報はiPhone頼み。この厚い雲では充電量より消費量が多く、もりもりバッテリーが減っていきます。

地図アプリをフル稼働させると、iPhoneのバッテリーは半日と持たない。ということでエネループを使って充電しつつ前進。あまり日中は使いたくないが、迷うわけにはいかないのだ。よくよく考えると海岸線走るだけだから迷うわけ無いのだが。

そんなこんなしていると日も沈み始める。今日の寝床はどこにしようかと探してみると、大洗キャンプ場が距離がちょうど良さそうだ。
それにしても交通量が多い。路肩も狭いので、なるべく脇道を通り、車とのニアミスを避ける。

分厚い雲を眺めつつ、ようやく大洗キャンプ場の近くに到着。キャンプ場の入り口でおばちゃん達に付近の情報を聞く。この年代の人たちは基本的に旅に肯定的だから話しやすいです。結構旅に否定的な人って多いのです。
キャンプ場の受付へ行くと、おじちゃん達が談笑していた。一瞬場所を間違えたかと思ったが、受付はここで間違いないらしい。いろいろと話をしていると、天気の話になった。今夜は荒れそうだが、テントで大丈夫かと心配される。
出発からかれこれ二ヶ月以上。いろいろな天候を経験している。まあ、大丈夫…だと思う。






しかしとても心配してもらい、今日はバンガローに泊まって行け、ということとなった。いや、バンガロー払う金は(財布の中に本当に)無い。しかし、どうせ今日はキャンプ場は貸し切りなので、フリーサイトと同じ価格でいい、ということとなった。

ということでまさかのバンガロー泊。今回の旅では初めてです。その後もおじさん達と話をしたりして時間を過ごす。近くに銭湯があるそうだが、キャンプ場にコインシャワーがあるのでそちらを利用することにした。銭湯はオーシャンビューで眺めがいいぞ〜、なんて茶化されたりもしたが、節約できることは節約するのだ。

ただ一人のためだけにボイラーを起動してもらい、電気を通し、鍵を開け、コインシャワーの準備万端である。たった100円のコインシャワーのために、いろいろとありがとうございます。

100円で約1分半お湯が出るシステムで、途中停止はできない。はじめの100円でお湯を浴びて、お湯が止まったら体を洗って、最後に100円を入れて体を流すといいよ。とアドバイスをいただく。いや、ここはコインシャワーのプロ(自称)として、100円で済ますのだ。
てなわけで100円投入。100円でどこまでできるか…。気分はゲームセンターである。
だがしかし…。



「冷たい!凄く冷たい!」



いきなり暖かいお湯が出てくることはなく、はじまりは冷たい水。いやしかし、負けてならない。お湯が出てくるまで30秒ぐらいかかりそうだ。それだけで半分近い時間を損する。勿体ない!我慢して水を浴びる!次第に暖かくなるお湯に安堵してはならない。もう残り時間は僅かなはずだ。間に合うか!?


後編に続く。







今日の一言コーナー
すごい久しぶりにスタバを見ました。関東住んでた頃は毎日見てましたが、地方ではまず見つからない。スタバを見て、あ、関東に来たんだな、なんて思いました。
とんだ勘違い野郎である。





後編。ぜんぜん間に合いませんでした〜。実質お湯を浴びていた時間は一分ほどなので、ぜんぜん暖まらない。シャワーが止まったと同時に冷え始める体。少し震えつつもう100円投入する。というかシャワー室の外に入金するところがあるって構造的にどうよ?
その後コインランドリーで洗濯して、バンガローへ戻る。バンガローは快適そのもので、ホテルにいるのとなんら変わりません。なにせ本来ならホテルと同じぐらいの価格だし。ふとトイレに行こうと外へ出たとき、何気なく鍵をかけようとした。貸し切りのキャンプ場なのでまず大丈夫だろうが、一応ね。
ポケットに手を入れ、鍵を取り出す。鍵穴に鍵を入れようとしたとき、手が滑った。落としちゃった、テヘペロ。なんて思ったが…。


奇跡が起きてウッドデッキの木の板の隙間に入り、ウッドデッキの下にまで落下する。




……え?


これはマズい。どうする?どう考えたって手が届かない。木の板を剥ぐ、なんていう強硬手段が第一に浮かんでしまう自分が情けない。ウッドデッキと地面の隙間には人が一人入れる隙間がある。
匍匐前進だ!という考えが第二に浮かぶ自分が情けない。だが、一番確実。しかし隙間にはばっちり木の板があり、猫一匹通れないようなっていた。
…と、いうわけで、第三案を実行する。鍵にはキーリングがついている。そこに棒を突っ込み、引っ張り上げるのだ!
我ながら凄いアイディアだ!尊敬する!細くて長いものといえば、北海道で手に入れた交通安全の旗。ほとんど惰性で持ち歩いているが、あると便利。テントに進入した虫を追い出すときとか。


木の板の隙間に旗を突っ込み、キーリングの中に柄が入る。やった、このまま引き上げれば…。いや、そうだよね、角度つけられないし、引っかかるとこないから持ち上がらないよね。しかも、変に動かすと旗の柄が届かない場所まで行くから慎重に行動せねば…。
そこで考えた。我ながらよく思いつくものだ。木の板の隙間に沿って、少しずつ動かし、ウッドデッキの端まで持ってこよう作戦だ。凄い!地味!

そして少しずつ、少しずつ動かして回収に成功。結構時間がかかってしまった…。


貸し切りのキャンプ場で一人騒いでいたら、だいぶ夜も深くなってしまった。そろそろ明日の予定を組まないと…。
明日は雨、というより大雨のようなので、基本的に動きません。近くにガストがあるので、ドリンクバーで粘ります。その後天気が回復すれば移動。ヒドいようであれば宿をとろうと思います。理想は明日もここでまったりすることですが、特別に泊めさせてもらって贅沢言えません。
しかし、やっぱり紙の地図がないとプランニングがやりにくい。ツーリングマップル全国版でも買っておけば良かった。