神福三日目 道の駅ふじおやま〜静岡県島田市ホテル


三日目ともなると慣れたもので、初日に感じていた不安もどこへやら、ぐいぐい先に進めるようになりました。二日目の軽量化もあり、不安定な自転車の挙動も慣れ、ほぼ無意識で自転車を操れるようになりました。
今日は昨日までの登りとは違い、基本的には下りと平地を走りました。が、一部凶悪な登りもあったのですが…。

昨夜は人生で初めて道の駅でテント(ムーンライト2)を張り、銀マット(サーマレストリッジレストソーラー)をしき、寝袋(ロゴス アリーバ6)に入り、枕(ダイソー)に頭を預け寝ました。寝ましたといっても実際はなかなか寝付けず、寝ても眠りが浅く、夜中に何度も起きました。見えない人の気配、風に揺れて草がテントを叩く音。ちょっとしたことが気になって眠れませんでした。アイマスクと耳栓は必須かもしれません。
7時には道の駅が開店するので、朝6時に起床し、撤収作業をはじめる。そして7時にはHさんと共に出発しました。コンビニで軽い食事を済ませた後、246号線沿いを西へ進む。朝から交通量が多く、特にトラックの追い越しにはヒヤヒヤさせられる。緩やかな登り坂を抜けると、そこからはひたすらダウンヒル。一気に距離を稼ぎます。しかし途中、私の自転車から何かが擦れている音がするので原因を調査。おそらく生きている方のサイドバッグのフックも限界に達し、フックが曲がり、タイヤに擦れているみたいだった。私のキャリアはロードバイク用の小型キャリアで、キャリアとタイヤのクリアランスはあまりありません。少し曲がると擦れてしまいます。なので、死んでいるサイドバッグと同じようにロープで吊ることに。
その後再出発すると、今度はHさんのチェーンがスプロケットとフレームの間に挟まるトラブルが発生。恐らくリアディレーラーの可動範囲が広すぎたのだと思ったものの、チェーンラインはまっすぐだった。少しトップ側に制限をして、再出発。
昨日稼いだ高度を一気に消費する。スピードがグングンのり、距離をどんどん稼いでいく。久しぶりにアウターリングの出番である。が、その時今度は私のチェーンがアウターリングの外側に外れた。アウターに入りやすいように少し可動範囲を広くとっていたのを忘れていた。停止してチェーンを戻すが、スピードがのっていたHさんは気づけば見えなくなっていた。慌てて追いかけるが、どこかで道を間違えたのか結局再開できなかった。別れの挨拶なしに別れることになったのが残念ですが、Hさんの旅の安全を願います。ブログを見ているならコメントください

それから一人で西へ。469号線に乗るつもりが道を間違え1号線側に向かっていた。しょうがなくそちらへ向かうが、自転車は通行止め。脇道をくぐり抜け、なんとか沼津市に到着。
それにしても背中が思い。バックパックは失敗だった。そこで、リアキャリアの積み方を変え、バックパックもリアキャリアに載せることにした。

これが効果てきめんで、一気に走りが軽くなった。その後一号線と並行する海沿いの道を通り、一号線に合流。道の駅ふじで休憩を取る。
今日はとても暑かった。昨日も暑かったが、今日はさらに日差しが強い。容赦なく肌を焼かれ、ヒリヒリとする。ボトルの水を直接かけながら冷やすものの焼け石に水。顔は防止をかぶっているのでそうでもないが、腕は半袖なのでどんどん日焼けする。夏用の長袖ジャージのほうが、逆に涼しいのかもと思った。
その後少し1号線を通るが、すぐに自転車通行止めで下道に追い出される。なんとか西に行く道を探すが、大きな道はほとんど自転車通行止めで立ち往生する。偶然声をかけてくれたドライバーの方が道を教えていいただき、なんとか西へ向かうことができた。

が、順調に行くかと思えばどこかで道を間違えたのか、また一号線に合流ルート。代替えの道も無く、道を間違えたとするとかなり戻らなければならない*1。途方にくれていたところに小さな脇道を見つけるが、そこに置いていたのが「サッタ峠」と書かれた看板。車一台なんとか通れるぐらい広さの坂道。坂道というよりは壁。近くの人に聞くと興津のほうに出れるらしい。引き返すのも癪なので、意を決して坂へ挑む。が、開始10メートルで休憩。

「これは、無理かもしれん」
と半ば本気で感じた。まず傾斜が尋常ではない。気を抜くと自転車が坂を下っていく。さらにその自転車が重い。体重を乗せないと前へ進まない。しかし前のめりに押そうにもサイドバッグが邪魔でいい位置に立てない。そして靴がSPDシューズ。クリートが地面とあたると、自転車の重みに耐えられず滑る→コケる。なのでサイドバッグに注意しながら体重を乗せ、SPDシューズの爪先部分で大地を捉え、全力で押す。5メートル置きぐらいに休憩しながら坂を登る。殺人的な坂だ。たちが悪いことに時々車も降りてくる。なので必死で避ける。
なんとか登り切ると、休憩所らしく場所があり、そこで休憩。先ほどの坂道以外にも登山道(遊歩道?)があり、そこから登ってきた老人夫婦が先に休んでいた。そこで少し世間話をし、興津へ向かう。ここからはひたすら下りで楽かと思えば、下りの角度も尋常ではなくやはり押して下る。
その後もなかなか街には出れず、見つけたコンビニでコーラを買い、店先で崩れるように座り込んで休んだ。とにかく暑くてヤバイ。水はかなり余裕を持って持ち歩いているのが救いだ。脱水症状と熱中症対策に水は効果的だ。当然水は飲めるし、体にかければ冷却できる。熱い日のボトルの中は水に限る。しかし、バックパックをリアキャリアに乗せて、ハイドレーションが使えなくなったのは痛い。それでも今日一日なんとかなったので、むしろハイドレーション無しでもなんとなかなるかもしれない。2つあるボトルケージには片方は、常に工具と予備チューブの入ったツール缶で、実質一本しか水を運んでいない。予備にサイドバッグにはサーモスの魔法瓶があり、常に冷たい水を入れてあるが、移し替える作業があり、やや面倒だ。もしハイドレーションは今後使わないとなると、ボトルは2つの方が良さそうだ。
その後なんとか都市部に脱出し、大通りを進む。ここから清水駅を越え、さらに西へ。大通りだけあって交通量は多いが道はいい。このまま静岡駅のあたりまで向かう。途中、あまりの暑さと披露でガストに退避。すかいらーく系列はドリンクバーがあるのが嬉しい。単品で頼むと損した気になるので一品頼むが、なんとなく頼んだかき氷が特大で、消化に困ることに。暑かったはずがキンキンに冷え、ドリンクバーからはコーヒーなどをなんども注いでくる。で、案の定お腹を下しトイレへ。
時刻は5時。少しずつ日が傾きはじめた。そろそろ寝床を探さないといけない。静岡駅周辺にはギリギリ許容範囲の値段のホテルがあったが、焼津あたりまで足を伸ばすとだいぶ安いホテルがあるのを発見。距離30キロ。二時間ぐらいで着くだろうと思い進むが、ここでも途中で「自転車通行禁止」の看板が。代替えルートを探すが無く、ほかにはだいぶ北上しないといけない。恐らく抜け道のようなものがあるのだろうが、地元民でもない私が知る由もない。
しょうがなく海沿いの416号線を進むことに。そうこうしているうちに日も暮れ、416号線についた時には日は完全に沈んでいた。海沿いの道なのでそんなにアップダウンは無いだろうなんて思っていたが、バッチリ峠だった。しかも街灯も人気も無く、とても夜通りたい道ではない。やや頼りないライトで道を照らしながら坂を登っていく。ここで気づいたが、自転車の挙動に慣れたためか、立ち漕ぎができるようになっていた。もちろん大きく自転車を振ることはできないが、少しぐらいなら問題ない。何よりバックパックが無いのが大きく、昨日の数倍は登りやすかった。
登った後は下り。一気に駆け下り、焼津についた時には真っ暗。ホテルまではまだ距離がある。暗いと道に迷いやすい。地図を見ても暗いと良く分からず、知らない土地ならなおさらだ。少し不安になったが、あることを試してみた。
iPhoneをフロントバッグのマップケースに入れ、ナビにしてみた。これが効果的で、暗い夜道を安全にナビしてくれた。もちろん電池はモリモリ消費し、50%だったバッテリーも、ホテルに着く頃にはほぼカラになっていた。時刻は既に9時を回っていた。
ホテルは「ますだや」というホテルで、昭和のいい雰囲気を残した旅館のような場所。受付の方の感じもよく、自転車の置場も快く用意してくれた。
が、うっかりGPSロガーの旅レコを浴槽に落としてしまった。今乾かしているが、多分復活しないだろう。今日のルートは迷走したので、その迷走っぷりを楽しみたかったのに、残念だ。ロガーは次買うならGARMINを考えています。というか、今回の旅のため新調したサイコン、キャットアイのアドベンチャーが予想以上に役立たずで困っている。高度計と斜度計、温度計があるのだが、どれも信頼性にかける。速度と行動は旅レコのほうが正確だった。やはりGPSは優秀である。電池の持ちが悪いけど。
洗濯したりしているともうこんな時間。明日は早く出発しようと思ったが、さすがに今日は疲れた。チェックアウトの時間いっぱい休みたいが、どうしたものか。
今日分かったのは、昼はあまり距離が伸びないということ。理由は暑いから。今日の走行距離125キロも、ほとんどが午前中と夕方以降だ。昼は走っては休み、走っては休みで前に進まない。モチベーションを維持するので必死だ。あたり前のことだが、改めてそう感じた。
明日は浜名湖あたりまで足を伸ばしたいが、それはまた明日走りながら考えます。なんとなく自分の中で、タイムリミットには間に合わないだろうな、なんて思いはじめています。

*1:実はここ、走行可能だったらしい